🔵長男伝説シリーズ第5話

「不登校は突然やってくる 〜わかってた、でもやっぱり切ない〜」

あんなに頑張ってたのに。

バイトも始めて、彼女もできて、学校にも行ってた。

「順調」「安定」そんな言葉をうっかり信じたくなるくらいだった。

でも、不登校ってやつは、

ある日、突然やってくる。

最初は、「頭痛い」だった。

次は、「だるい」

そのうち、「電車、乗りたくない」

気づけば、朝起きられなくなっていた。

登校しても、すぐ早退。

だんだん足が遠のいて、気づけば欠席が日常に。

理由は分かってる。

バイト、頑張りすぎたんだよ。

気を遣って、緊張して、気合い入れて、

“普通”を装うために、たくさんのエネルギーを使ってた。

脳疲労。気疲れ。

「楽しい」だけじゃ、続けられない。

そして彼は言った。

「バイトも、ちょっと休みたいかも」

はい、想定内です。

母は、そんなに楽観視してなかった。

こうなる日が来ることも、

急にバランスが崩れることも、

ちゃんと、心の片隅で覚悟してた。

だけどね――

やっぱり、しんどい。

「またか…」って思う自分にも、ちょっと落ち込む。

それでも、前とは違うのも確か。

■ 自分の限界に気づけたこと

■ ちゃんと「休みたい」と言えたこと

■ 「全部投げ出す」じゃなくて、「ちょっと待って」と言えたこと

これって、大きな成長だと思う。

だから私は、また隣に立つ。

無理やり引っ張らず、でも放り投げず。

歩きたくなるまで、ただそばにいて、待つ。

そう、母の仕事は「信じること」と「待つこと」だって、何度も思い出してる。